毎年、センター試験の時期が来ると、テレビや新聞で
「〇〇大学試験会場で監督者が居眠り!」
「リスニングの試験中の騒音により再試験!」
など、試験中のトラブルが報道されますよね。
実際に今年も神戸市の試験会場で正規の試験時間を確保しなかったというミスがあり当日の夕方にはニュースで報道されていました。
それでは今年発生したセンター試験でのトラブルについて解説していきましょう。
今年のセンター試験でのトラブルとは?
大学入試センターによると、センター試験の最終日となる19日、会場となった神戸女子大(神戸市)の1試験場で、数学①の試験時間が25秒短くなるミスがあった。試験監督が開始のチャイムが鳴り終わるのを待って試験開始の指示を出したためで、本来は鳴り始めと同時に開始することになっていた。
試験場にいた受験生47人のうち希望者がいれば再試験に応じる。センターは、20日午後5時までに申し出るよう呼びかけている。
試験は60分間で、午前11時20分に開始予定だった。終了時刻は正しかったため、本来より25秒短い試験時間になった。複数の受験生から指摘があり、判明した。
再試験は1週間後の26日の予定で、病気やけがなどで本試験を受けられなかった受験生が受ける追試験の問題を使うという。
引用:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN1M5QV0N1MUTIL00N.html
こちらの記事にある通り、神戸市の神戸女子大学試験会場において、
監督者が正規の試験時間を確保しなかったというミスがセンター試験において発生したようです。
25秒とはいえど、人生をかけて受験に臨んでいる受験生もいることでしょうし、決して許されるミスではありませんね。
監督者の対応の問題点
今回の監督者の対応には2点問題があります。
センター試験では、試験問題の配布などに時間がかかり、試験開始時刻に間に合わないといった場合の対応がマニュアルとして示されています。
それは、試験開始時刻に間に合わないと判断した場合は、1分単位で試験開始時刻を繰り下げ、それに合わせて試験終了時刻も繰り下げるという対応です。
つまり試験開始時刻が1分遅れたら、試験終了時刻も1分遅らせる、ということです。
これによって数学①の正規の試験時間である60分は確保されたことになりますので、全く問題はない、ということになります。
「試験監督が開始のチャイムが鳴り終わるのを待って試験開始の指示を出した」
と記事にあるようにこちらの監督者はチャイムを頼りにしていたことがわかります。
試験の際に開始と終了の合図にチャイムを鳴らすか鳴らさないかはどちらでも構わないのですが、センター試験の監督要領では、試験の開始と終了の合図は必ず、監督者の時計によって確認することになっているのです。
つまり10時から試験開始であるとすると、監督者は自分の腕時計なり、卓上に設置された時計なりを見て、
9時59分58秒、、9時59分59秒、、10時00分 試験開始!
と合図する必要があるのです。
まあ機械のトラブル等を避けるために、センター試験等の厳密性を求められる際は、チャイムは鳴らないように設定しておく大学がほとんどなのですが、、、(笑)
さらに言うと、センター試験には時間管理を行うタイムキーパーという役割の監督補助者も教室内に配置されるルールになっておりますので、監督者のみではなく、担当者全員がセンター試験のルールを理解できていなかったということでしょう。
なぜこのミスが発覚したのか?
さて、今回のこのミスですが、なぜ発覚したのでしょう。
調べてみるとどうやら受験生からの申し出により発覚したようです。
センターによると、チャイムの鳴り始めと同時に試験開始とすべきところを、試験監督の担当者が誤って鳴り終わりに開始の合図を出したため、チャイムが鳴っていた25秒分、試験時間が短くなった。試験終了後、受験者らから苦情が寄せられ、発覚した。
引用:産経新聞 https://www.sankei.com/life/news/200119/lif2001190024-n1.html
受験生も試験会場には時計を持ち込んでいるため発覚するのは当然ですね。
この教室で受験した受験生への対応は?
受験生からしてみれば、たとえ25秒といえど、正規の試験時間を確保されず不利益を被った訳ですので、希望者に対して、再試験が実施されるとのことでした。
ミスがあった試験時間に受験していた47人中23人が再試験の受験を希望しているとのことでした。
もしかすると中にはラッキーだと思った受験生もいるかもしれませんね。
まとめ
センター試験でも各大学の個別試験にしても、何もトラブルなく実施するということが当たり前ですが、その当たり前のことを何事もなく運営するのがなかなか難しいのです。
今回、ミスがあった神戸女子大学にしてもおそらくセンター試験実施にあたるルールの徹底的な周知はされていたでしょうが、関係者全員が理解するということには至っていなかったのでしょう。
大学側にどんな理由があるにせよ、受験生にとって人生がかかった試験でのミスは許されるものではありませんね。